新型コロナウイルス感染症対策『共有してほしい情報と行動』
2020年2月21日、一般社団法人日本感染症学会は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の水際対策から感染蔓延期に向けた対応について資料を公開した。資料には、「一般市民の方々へ ―共有してほしい情報と行動― 」「診療にあたられる方々へ 」といった一般市民と医療従事者へ向けた感染症対策が記載される。
首相官邸ホームページでも同様に感染症対策と、コロナウイルスとは何かも説明されている。
コロナウイルスとは?
コロナウイルスには
・一般の風邪の原因となるウイルス
・重症急性呼吸器症候群(SARS)
・中東呼吸器症候群(MERS)
・現在流行している「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」
がある。
特徴として
・ウイルスは自分自身で増えることができず、粘膜などの細胞に付着して入り込み増える。
・健康な皮膚には入り込むことができず表面に付着する。
・表面についたウイルスは時間がたてば壊れるが、物の種類によっては24時間~72時間くらい感染する力をもつ。
・流水と石けんでの手洗いや手指消毒用アルコールによって感染力を失わせることができる。
と言われている。
どのようにして感染するのか
・飛沫感染(ひまつかんせん)
感染者の飛沫(くしゃみ、咳(せき)、つば など)と一緒に放出されたウイルスを、他者が口や鼻から吸い込み感染。
※感染を注意すべき場面:屋内などで、お互いの距離が十分に確保できない状況で一定時間を過ごすとき
・接触感染
感染者がくしゃみや咳を押さえた手で、周りの物に触れることでウイルスが付着。
未感染者がその部分に接触しウイルスが付着、感染者に直接接触せずとも感染。
※感染場所の例:電車やバスのつり革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、スイッチなど
一人ひとりができる感染症対策
感染しないようにするために
・人と人との距離(ソーシャルディスタンス)をとること(Social distancing; 社会的距離)
・外出時はマスクを着用する
・家の中でも咳エチケットを心がける
・家やオフィスの換気を十分にする
・十分な睡眠などで自己の健康管理をしっかりする
・石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒
・洗っていない手で目や鼻、口などを触らない。
※「3つの密(密閉・密集・密接)」
1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)
2.密集場所(多くの人が密集している)
3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為が行われる)
※正しい手の洗い方
※咳エチケット
咳・くしゃみをする際、マスクやティッシュ・ハンカチ、袖、肘の内側などを使って、口や鼻をおさえる。
※正しいマスクの着用
新型コロナウイルス感染症対策『共有してほしい情報と行動』
以下は記載される項目を抜粋。
項目、内容共に分かりやすいものとなっている。
蔓延期に向け、一般市民、医療従事者個人個人の感染症への対策が求められる。
一般市民の方々へ ―共有してほしい情報と行動―
1.感染症の臨床的特徴が明らかになってきました。
2.1週間以内に症状が軽快しそうであれば、自宅での安静で様子をみます。
3.1週間以上熱が続く、呼吸苦・呼吸器症状の悪化がみられる場合には医療機関へ
4.高齢者・基礎疾患を有する人は外出を控える、人込みの中に入らない。
5.現在、実施されているウイルス検出のための検査(PCR法)には限界があります。
一般市民の皆様へ ―クイック・チェックポイントー
1.注意すべき事項
2.注意すべき症状
3.受診行動
4.高齢者または基礎疾患のある方
診療にあたられる方々へ
1.軽症例はインフルエンザ外来に準じた対応を行います。
2.重症例を見逃さない診療が求められます。
3.遺伝子検査は、“入院が必要な肺炎例でウイルス性肺炎を疑う場合”に実施します。
4.特異的な治療薬はありません。
感染対策のポイント
1. 感染対策の基本は飛沫・接触予防対策になります。
2. 陰圧個室での管理は地域・施設に応じて対応してください。
出典:
日本感染症学会|感染症トピックス|新型コロナウイルス感染症
日本感染症学会|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)―水際対策から感染蔓延期に向けて―
新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~ | 首相官邸ホームページ