【厚生労働省推奨】医療施設の院内感染を防ぐ10のポイント
連日発生している医療施設の院内感染及びクラスター感染。院内感染の対策に関しては、2020年3月17日に厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部より「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」が作成され、周知を呼びかけている。
中でも、院内感染について見ていく。
【厚生労働省推奨】医療施設の院内感染を防ぐ10のポイントの内容
資料全体の項目としては、
●病原体・臨床像
●症例定義・診断・届出
●重症度分類とマネジメント
●薬物療法
●院内感染対策
●退院・生活指導
について記載される。
院内感染対策に関しては、今年3月17日に発表された「診療の手引き」の項目に
・非常事態における N95マスクの例外的取り扱い
・非常事態におけるサージカルマスク,長袖ガウン,ゴーグルおよびフェイスシールドの例外的扱い
上記2項目が追加されている。
1,個人防護具
COVID-19 の患者の診療ケアにあたる医療スタッフは、接触予防策および飛沫予防策として、ゴーグル、マスク、手袋、長袖ガウン、帽子などを着用する。
2,換 気
患者(疑い例を含む)を診察する場合は、陰圧室の使用が望ましいが必須ではなく、使用できない場合は換気を十分に行う。
3,環境整備
ナースコール、テーブル、ベッド柵、床頭台などの患者周囲環境は、アルコールや抗ウイルス作用のある消毒剤含浸クロスで清拭消毒を行う。聴診器や体温計、血圧計などの医療機器は個人専用とし、使用ごとに清拭消毒する。
4,廃棄物
COVID-19 の患者(疑い例を含む)から排出された廃棄物は、感染性廃棄物として排出する。
5,患者寝具類の洗濯
新型コロナウイルスで汚染された、あるいは汚染された可能性のある寝具類は、病院施設内で消毒(熱水洗浄を含む)が必要である。
6,食器の取り扱い
患者が使用した食器類は、必ずしも他の患者と分ける必要はなく、通常どおりの方法による洗浄と乾燥でよい。
7,死後のケア
遺体の処置にあたる従事者は、ゴーグル(またはフェイスシールド)、サージカルマスク、手袋、長袖ガウン、帽子の着用などの個人防護具を着用し、作業後は確実に手指衛生を行う。
8,職員の健康管理
業務を終えた後は、14 日間の体調管理(1日2回の体温測定など)を行い、体調に変化があった場合は、すみやかに感染管理担当者に報告する体制を作っておく。
9,非常事態における N95マスクの例外的取り扱い
N95マスクについては以下の考え方に基づき、可能な限り、効率的に使用する
・滅菌器活用による再利用に努める
・必要な場合は、有効期限に関わらず利用する
・複数の患者を診察する場合に、同一のN95マスクを継続して使用する
・N95マスクには名前を記載し、交換は1日1回とする
・KN95マスクなど医療用マスクもN95マスクに相当するものとして取り扱い、活用するよう努める
※個人防護服が入手困難中、厚生労働省より発出
10,非常事態におけるサージカルマスク,長袖ガウン,ゴーグルおよびフェイスシールドの例外的扱い
サージカルマスク,長袖ガウン,ゴーグル及びフェイスシールドについては以下の考え方に基づき、可能な限り、効率的に使用する
・使用機会に優先順位を設ける
・複数の患者を診察・検査する場合においても同一のものを継続して使用する
・代用品を用いる
・目に見えて汚れたり破損したときには破棄すること
出典:
自治体・医療機関向けの情報一覧(新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」の周知について[pdf]
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第2.1版」[pdf]