日本看護協会は、2021年6月29日の記者会見の様子と資料をホームページにて公開している。
今回はその中から、資料4「新型コロナウイルス感染症対応における看護提供体制の現状と今後必要な取り組み」より、看護職の現状と今後の改善策について触れた部分をまとめる。
看護職の平均年収は?平均年齢は?
看護師の賃金は、大学卒やほかの職種と大差ない。
しかし、年収・月収のかなりのウェイトを「夜勤手当」が占める。
日本看護協会は「厳しい仕事内容に見合った処遇改善が必要」としている。
2020年度 新卒看護師の初任給実績(大卒)
大卒、単身・民間アパート居住 平均基本給与額 = 208,918円
平均税込給与総額 = 270,292円
・平均税込給与総額には、通勤手当、住宅手当、夜勤手当、当直手当等を含む(時間外勤務の手当は除く)。
・夜勤をした場合には、当該の月に3交代で8回(2交代で4回)をしたものと想定。
看護師の平均年収 = 491万8300円
平均年齢 = 41.2歳
・年間のボーナスのほか、夜勤手当や残業代、通勤手当といった各種手当も含んだ総額。
・毎月の給料のうち夜勤手当が平均3.5万~5万円、平均年収492万円のうち、40万~60万円は夜勤手当。
処遇改善に向けた日本看護協会の施策
1.夜勤負担の改善
・勤務間隔は11時間以上あける(勤務間インターバルの確保)
・勤務拘束時間13時間以内とする
・仮眠取得の確保と仮眠環境の整備をする
・頻繁な昼夜遷移が生じない交代制勤務の編成とする
2.時間外労働の改善
・夜勤・交代制勤務者においては時間外労働をなくす
・可視化されていない時間外労働注を把握し、必要な業務は所定労働時間に取り込む
注)業務開始前残業(前残業)や持ち帰り業務、勤務時間外での研修参加等(業務時間外残業)
3.暴力・ハラスメントの改善
・暴力、ハラスメントに対し、実効性のある組織的対策を推進する
・上司、同僚、外部からのサポート体制を充実させる
4.仕事のコントロール感の改善
・仕事のコントロール感を持てるようにする
5.評価と処遇の改善
・仕事、役割、責任等に見合った評価・処遇(賃金)とする
もともと看護職が不足している上に、コロナ禍で処遇が悪いとなっては当たり前に看護職は減少するだろう。
早急な処遇改善を願う。
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