日本家族看護学会ホームページでは、家族看護学及び家族看護実践の発展のために、「家族看護学研究」を発刊している。
今回は、その機関紙の中でも救急救命センターで働く看護師の家族看護と言える行動についての研究論文の一部を紹介する。
救命救急センターにおける家族看護の実践現場の内容
構成は下記の通りとなる。
【目的】
救命救急センターにおける日々の営みの中に埋め込まれている家族看護の実践がどのように行われているのかを、看護師の視点から明らかにする。
【方法】
救命救急センターに勤務する看護師に参与観察と非構造化インタビューを行い、現象学を手がかりにして分析。
【結果・考察】
看護師たちの過去に出会った様々な患者と、その患者へと関心を寄せる家族との経験が、目の前の患者の状態の未来への先取りを可能にしていた。看護師たちは、患者だけでなく、その患者へと関心を向けている家族にも同時に引き寄せられ、そこでの彼らのふるまいが患者や家族の応答につながっていた。彼らは病棟での決められた面会時間の中で,患者や家族に対してともに過ごす時間や空間をつくりだしているのではなく、患者および家族に引き寄せられ、家族と看護師とが互いに促し合うという関係の中で“患者と家族の過ごす時間と空間”をつくりだしていた。
【結論】
看護師たちは、救命救急センターにおける日々の営みの中で、患者および患者へと関心を向けている家族にも同時に引き寄せられ、家族と看護師とが互いに促し合うという関係の中で“患者と家族の過ごす時間と空間”をつくりだしていた。その“時間と空間”は、その場をともにする者だけでなく、過去や未来をも含む患者および家族と看護師との関係の中でつくりだされていた。
研究材料としているのは、
・面会時間に向かう
・12時の面会時間直前の場面
・面会時間を終了する
・母親が帰宅する場面
・椅子を配置する
・家族が面会に訪れた場面
・患者と家族がともに過ごす空間に入る
・14時の面会時間終了間近の場面
上記のような場面。その場で看護師がどのような対応をしているか、分析されている。
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