岐阜県に移住して看護師として働く。
県内各地の看護師数や医療課題 2017.09.20

次週より、岐阜県・和光会グループの看護師インタビュー特集をお届けします。それに先駆けて今回の記事では、岐阜県に移住し看護師としてUターン・Iターン就職することについて考えます。

岐阜県の特徴

岐阜県は総人口が200万人を超える、人口ランキングでは全国で17位に位置する県です(2017年1月時点)。名古屋の北部に位置し、県南部にある中核市の岐阜市は名古屋まで電車で30分以内に到着できる、大都市圏とのアクセスも便利な地方都市です。

県北部にはドラマや映画の舞台としても有名で小京都とも呼ばれる古い街並みを残す飛騨高山、世界遺産に登録された白川郷・合掌造り、下呂温泉などの温泉地があり、観光地として非常に人気が高まっています。

内陸県ではあるものの、木曽川・長良川・揖斐川からなる木曽三川水系があり豊かな水資源に恵まれています。また周囲を北アルプスや中央アルプスといった峻険な山脈に囲まれた、非常に自然豊かな土地です。

飛騨高山の街並みの写真

飛騨高山の街並み

岐阜県内各地の看護師の状況

地方移住という近年話題のトレンドにおいても、移住先として岐阜県の人気が年々高まってきています。2016年度に岐阜県へ移住した人の数は過去最多の1310人でした。特に日本海側が近い県北部の高山市や、関西方面が近い県西部の大垣市などは移住先として多く選ばれているようです。

岐阜県内の看護職員の数は年々増加しています。全県単位で見た場合、人口10万人あたりの看護職員数は全国平均値と同水準になっていて、他県と比較して看護師の数が特別に少ないわけではありません。しかし、地域単位では全国平均値を下回ることもあります。

岐阜県の地域医療構想における二次医療圏は、岐阜医療圏・西濃医療圏・中濃医療圏・東濃医療圏・飛騨医療圏の5つに区分されます。ここで高山市・大垣市と、中核市である岐阜市の3市を例に挙げ、各市の特徴と看護師の状況を見てみましょう。

5つの圏域に区分される岐阜県の二次医療圏の図

5つの圏域に区分される岐阜県の二次医療圏

岐阜市(岐阜医療圏)

県庁所在地である岐阜市を擁する岐阜医療圏は、県内の産業・経済・行政が集中する中枢エリアです。隣接している愛知県とは生活・産業とも非常に密接な関係にあり、人やモノの行き来が盛んです。

この圏域は高度医療を担う多数の医療機関や、県下唯一の特定機能病院である岐阜大学医学部附属病院があり、県全体の医療を支える役割を担っていますが、それゆえに他医療圏や愛知県からの患者流入が超過している状況です。この圏域における人口10万人あたりの看護職員数は、県全体および全国の水準を上回っており、比較的充足しているといえます。

高山市(飛騨医療圏)

記事冒頭でも紹介したように、高山市をはじめとする県北部は観光地として人気が高まっています。古い街並みや豊かな自然、年間通して各地で行われる伝統的なお祭りなど長い歴史を感じられる雰囲気があり、冬は雪に覆われた山々でウインタースポーツを身近に楽しめる環境です。飛騨牛や山菜、川魚といったグルメも魅力です。

高山市は飛騨市・下呂市・白川村も包括する飛騨医療圏に区分されます。この圏域における人口10万人あたりの看護職員数は、県全体および全国の水準を大きく上回っています。しかしこの圏域は面積が広大でへき地も多く存在しているため、人数だけを見て一概に看護師が充足していると言い切ることはできません。

大垣市(西濃医療圏)

大垣市は高校生世代まで医療費の自己負担分が助成される制度、待機児童0を実現する充実した保育園・幼稚園の設置数など、子育て支援が充実していることから注目が高まっています。岐阜市内・名古屋方面といった都心方面にも電車で移動しやすい一方で、西方には琵琶湖や京都といった名所があり、東西でちょうどいい職住のバランスが取れています。

大垣市を含む西濃医療圏は、県下最大規模の総合病院である大垣市民病院が中心となって医療を提供している圏域ですが、人口10万人あたりの看護職員数が県全体および全国の水準を下回っています。そのため、看護師の確保・定着が急務とされています。

人口10万人あたりの就業看護職員数のグラフ

人口10万人あたりの看護師数は地域によって1000~1500人の間に収まる。看護師の数は増えているが、地域差がある(数値出典:地域医療構想(岐阜県)(http://www.pref.gifu.lg.jp/kodomo/iryo/horei/11229/tiikiiryoukousou.html

岐阜県の医療課題

岐阜県は医療資源が都市部である岐阜医療圏に集中しており、提供可能な医療サービスの地域差が大きくなっています。また県内の医療ニーズに対して急性期病床の数が多く、回復期病床の数が不足しています。今後の病床数削減の流れにおいても、限られた病床を急性期から回復期へ転換することや、在宅医療への移行が大きな課題となります。

全国的に進行する高齢化の波は岐阜県も避けられませんが、特に山間部より都市部で高齢者が急増すると予想されています。郡上市・下呂市といった県央部では2035年までに高齢者が減少していく一方、県南部の岐阜市を中心とする都市圏では今後4万人増加していくと見込まれています。都市圏郊外の団地には団塊の世代の住民が多く、その子どもが独立・流出することで急速に高齢化が進むと予想されています。

県内で介護を必要とする高齢者の数は、現在の6万9千人から30年後にはその倍近い12万8千人まで増加する見込みです。入院患者の数も、今後10年以内で3千人増加するものとされています。

岐阜県で看護師として働く

岐阜県看護協会では看護師の就職を支援するため、岐阜県ナースセンターを岐阜本所・多治見支所・西濃サテライト・飛騨サテライトの4ヶ所設置しています。また、県内各地のハローワークではナースセンター専門相談員が就労相談を受け付けています。

岐阜県ナースセンターのウェブサイトでは、県内各地の求人情報再就職支援研修ハローワークの相談会の日程などを随時案内しています。詳しくは岐阜県ナースセンターウェブサイトをご覧ください。

移住者が増加している岐阜県では、東京・名古屋・大阪に移住相談窓口を常設し、移住・定住ポータルサイト「ふふふぎふ」を開設して岐阜の移住に関する情報を発信するなど、移住者の受け入れ支援を積極的に行っています。岐阜県へのUターン・Iターン移住に興味のある方は、一度相談してみるといいでしょう。

まとめ

地方は人口減少と高齢化が急速に進む一方で、ゆとりある生活を実現するために都市からの移住者が増え始めています。単純に岐阜県へ移住すると言っても、地域によって生活や医療の環境が大きく変わるので、希望する条件次第で移住先となる候補地は様々です。自分が住みたい・働きたいと思う土地を事前にしっかり調べておくことが大切です。

次回は創立から90年以上の歴史をもち、岐阜市を中心に医療・福祉の両面で多数の事業所を展開する和光会グループの看護師に話を伺います。

世界遺産・白川郷の合掌造り集落の写真

世界遺産・白川郷の合掌造り集落

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