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看護小規模多機能型居宅介護(看多機)での働き方

2017年8月16日

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介護をめぐる形態は日々見直しがなされるため、「わかりにくい」との声が多いもの。近年では、訪問看護と多機能居宅介護を組み合わせた複合サービスが必要とされ、さらなる看護師の活躍が求められています。

今回は、通称「看多機」と呼ばれる「看護小規模多機能型居宅介護」について考察します。

目次

  • 新しい介護保険サービスの登場と経緯
  • 看護+小規模多機能型居宅介護、その中身や普及度は?
  • 複合型サービスにおける看護の立場
  • 看護師が果たす役割:末期の在宅生活支援に見る事例
  • ワークライフバランスやブランク後のことも考えてみる
  • まとめ:介護職員との協働、地域とのつながり

新しい介護保険サービスの登場と経緯

まず、看護小規模多機能型居宅介護を把握するには、そのベースとなる小規模多機能型居宅介護について知る必要があります。平成18年にスタートした小規模多機能型居宅介護は、高齢者が在宅で暮らし続けるための地域密着型サービスを目指す制度。利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、選択に応じて「通い・宿泊・訪問」の3本柱から複合的なケアサービスが提供されます。

そこに看護が加わるかたちで新設されたのが、看護小規模多機能型居宅介護です。同様の制度は「複合型サービス」として平成24年に始まりましたが、漠然としていて内容がイメージしづらいという指摘があり、平成27年度の介護報酬改定時に現在の「看護小規模多機能型居宅介護」へと名称変更された経緯があります。

看護小規模多機能型居宅介護の概要イメージチャート図

看護小規模多機能型居宅介護の概要イメージチャート図(出典:平成29年5月 第138回社会保障審議会介護給付費分科会資料(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000169140.pdf))

看護+小規模多機能型居宅介護、その中身や普及度は?

看護小規模多機能型居宅介護(以下、看多機)の事業は、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第170条に基づき、「小規模多機能型居宅介護の基本方針を踏まえて行うものでなければならない」とされます。つまり、従来の小規模多機能型居宅介護がカバーする「通い・宿泊・訪問」介護に加え、看護を提供するという構図です。

目的は、医療ニーズの高い利用者の状況に応じて柔軟にサービスを組み合わせ、住み慣れた地域で生活支援を行うことです。事業所は主治医と連携して、多様なサービスを24時間365日提供します。通所介護、宿泊、訪問介護、訪問看護、これらを一つの事業所で行うことにより、要介護1以上で退院後に病状が安定しない人や医療処置が必要な人、看取りを希望する人にまで手が届くようになりました。しかしながら、この複合サービス分野で開設する事業所はまだ少ないのが現状です。

厚労省のまとめでは、事業所数は平成29年時点で全国357件。各都道府県の主要市区に主に1~2件というのが平均値ですが、例えば東京23区中10区に計13件、横浜市では12件、札幌市では20件など、地域によってばらつきがあり、まだ実施していないところもあります。

一方で、同省は介護保険の実態調査から、超高齢社会となる平成37年度までに小規模多機能型居宅介護を17万人、複合型サービス(看多機)を2.3万人が利用すると推計。今後、地域包括ケアシステムの構築に積極的な市町村では、看多機への参入が促進される可能性もあります。

看護小規模多機能型居宅介護の受給者数の推移(要介護別)グラフ

看護小規模多機能型居宅介護の受給者数の推移(要介護別)グラフ(出典:平成29年5月 第138回社会保障審議会介護給付費分科会資料(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000169140.pdf))

複合型サービスにおける看護の立場

看多機では、先に挙げた「通い・宿泊・訪問介護・訪問看護」の4つの分野をケアマネジャーが一元的に管理します。利用者は要介護1以上、主治医の訪問看護指示書が必要とされ、看護職員については「従業者のうち、常勤換算方法で2.5以上の者は、保健師、看護師又は准看護師でなければならない」など手厚い配置が義務付けられています。

看護師としてここで働くメリットは、これから深刻化する高齢化社会において、国が推進する地域包括ケアシステムのなかで看護のニーズを把握し、地域と医療、介護との連携を具体的に学べるという点です。利用者だけでなく事業所側としても、現場に看護師がいれば心強さも倍増です。

看護師が果たす役割:末期の在宅生活支援に見る事例

厚生労働省の事例紹介から抜粋して、看多機における仕事の具体的な事例を見てみましょう。80代女性でアルツハイマー型認知症と間質性肺炎末期状態、在宅酸素使用のケースです。

利用者は要介護5、主たる介護者はおらず、60代の一人娘には持病があり常時の介護が困難。入退院を繰り返し、突然呼吸が止まってもおかしくない状況にあり、小規模多機能型居宅介護では対応ができず、 関連法人の看護小規模多機能型居宅介護事業所へと移ってきました。医療依存度の高い利用者に対しては、看護職員が介護職員と共にケアを行い、徐々に慣れてもらえるように支援します。

この場合に必要な医療処置
看取り期のケア
カテーテル(尿道留置カテーテル等)
痰の吸引
注射
点滴
疼痛の看護
ネブライザー
創傷処置
摘便
酸素療法(酸素吸入)
服薬管理
リハビリテーション

利用開始から最初の2週間はほぼ毎日、通いか泊まりを利用してもらい、自宅に閉じこもることなく他者との交流の機会を得ました。利用者が自宅にいる間は家族の負担を軽減するため、看護と介護の両方で訪問を行いました。自宅と事業所の両方をみる看護職員がいることで、看取りを自宅にするか事業所にするか、利用者の家族と相談できました。時にはご家族も一緒に泊まるというかたちで事業所で過ごしてもらい、最期となった日には、呼吸が止まりそうな状況で家族を呼び、かねてからの希望により看護職員付き添いのもと自宅へ戻り、そこで息を引き取りました。

最期の瞬間までその人の生き方を支えるイメージ写真

自宅と事業所を柔軟に使い分け、最期の瞬間までその人の生き方を支えるのが看多機の仕事

ワークライフバランスやブランク後のことも考えてみる

病院勤務と比較すると、介護の現場では医療処置を行う機会こそ減りますが、今後ますます増加する認知症やがん患者への看護、終末期に要するターミナルケアの面で実績を積むことができます。

また、介護士との総合的な連携体制で運営しているため、夜勤や残業を調節できる職場が多く、ワークライフバランスが取りやすい環境と言えます。市場としても伸びしろのある分野であり、ブランク後に復職しやすいことも大きなポイントでしょう。

まとめ:介護職員との協働、地域とのつながり

看多機で働くことで力を発揮できるのは以下のような人たちです。

  • 責任のある仕事にやりがいを感じることができる
  • 看護師として見通しを立て、臨機応変に対処する判断力がある
  • 共同作業を重んじ、違う立場の人の意見を聞ける
  • 地域とつながっていたい、コミュニケーションが好き

病院では医師の判断に沿って看護師が動くことがほとんどですが、介護の現場では看護師が一人で利用者の急変などにも応じていくことがあります。不安やプレッシャーもありますが、それを経験していくことで看護師としてのやりがいや自信につながります。

看多機で勤める看護師に求められる役割は、担当のケアマネジャーや事業所長を通じて医療機関と連携し、処置や内服薬の変更などを把握することです。対応する医療処置は、経管栄養や痰の吸引、バイタル測定や服薬管理など、主に基礎的な健康管理がメインとなります。

介護担当者や利用者家族へのレクチャーなども含まれ、業務を通じてお互いに学び合うことも多いでしょう。リハビリやレクリエーションの補助など、スタッフ同士でも連絡、協力が不可欠です。そして地域密着型の複合サービスとしてスタートしたこの分野では、事業所のある地域との連携も必要です。看多機で働く上では、施設の内外に向けた幅広い視野を持つことが大切になってくるでしょう。

ケアに携わる多職種の人々と連携するイメージ写真

ケアに携わる多職種の人々と連携することが大切

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