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メディカルフットケアの事例や展望。FUSSMEDI講師インタビュー

2018年1月17日

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前回の記事ではメディカルフットケアアカデミー“FUSSMEDI”(フースメディ)のカリキュラムについて紹介しました。訪問看護の現場でメディカルフットケアを行っている看護師や理学療法士が講師となり、メディカルフットケアを理解する上で欠かせない解剖学や運動学といった座学の他、実技を通じた施術スキルも詳しく学ぶことができる、フットケアナースになるためのセミナープログラムです。

LALANURSEでは、メディカルフットケアのプロフェッショナルとして活躍するFUSSMEDIの講師とFUSSMEDIで学んだ受講生の方へそれぞれインタビューを実施。全2回の特集記事として、2週に分けて公開します。

第1回となる今回は、FUSSMEDI校長・株式会社トータルライフケア常務執行役員の河本忠久さんにお話を伺います。

目次

  • メディカルフットケアについて
    • メディカルフットケアの必要性
    • メディカルフットケアの事例
    • メディカルフットケアの課題
  • FUSSMEDIについて
    • FUSSMEDIの特色
    • FUSSMEDIの講師
  • メディカルフットケアの展望
  • FUSSMEDIについてさらに詳しく

メディカルフットケアについて

メディカルフットケアの必要性

— 今、メディカルフットケアが必要とされている社会的な背景を教えてください。

「私がメディカルフットケアに携わってもう6年になりますが、『誰に相談していいかわからず今まで悩んでいた』という方が非常に多いと常々感じています。しかしそういった方々が相談できる窓口も少しずつ増えてきており、またサービスを提供する側にもフットケアが非常に重要だという認識が増えてきました。
 国としても医療費・介護費がかなり厳しい現状の中で、フットケアがもつ予防的な意味合いがだいぶ世の中に浸透してきたと感じており、そういった状況が重なって、必要性が増してきていると考えています」

— 足のトラブルは、日常生活動作(以下、ADL)にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

「足の裏には感覚を受け取るセンサーが非常に多く存在していて、胼胝でセンサーがある場所の皮膚が厚くなってしまうと、その圧を受け取る能力が低下し、それがきっかけで体のバランスが崩れてしまいます。これは感覚が鈍くなる例ですが、その一方で感覚が鋭いところに鶏眼や巻き爪といった痛みを伴う症状があると、その痛みを強く感じるが故にうまく歩けなくなる方も多いです。
 そういったトラブルにはメディカルフットケアを施すことで、感覚が正常化し、痛みがやわらぎ、歩行や立位のバランスが取れるようになると考えています」

“糖尿病足病変で足の切断に至ってしまうと莫大な医療費・介護費がかかるため、フットケアによる予防の意味は大きいと語る河本さん

メディカルフットケアの事例

— メディカルフットケアの利用者の感想を教えてください。

「皆さん、施術後に非常にスッキリしたというお声をよく聞きます。爪を切っただけでかなり足が軽くなったという方が多いので、それだけでも比較的ADLが向上するのではないかと思います。
 膝・腰が痛いという場合には、足の鶏眼や巻き爪が波及して膝・腰の痛みにつながっていることも多いので、そういった方には膝・腰に対する直接のアプローチに加えて足部へのケアを施すことで膝・腰もよくなるというケースが多いです」

— メディカルフットケアの効果が顕著に表れた事例はありますか。

「私の中で、すごく印象的な方がおります。80代後半の方ですが、巻き爪の相談を受けて足を拝見したところ、実際には巻き爪の痛みというよりも、上向きに生えた肥厚爪が、ブカブカの状態で履いた靴に当たって痛みになっていたことが判明しました。そこで爪を削り、靴の履き方や選定のアドバイスをさせていただきました。その後、以前までご家族が車椅子で押していたのがご自分で杖歩行ができるようになり、やがて2、30メートルであれば自立して歩けるようになりました。ご本人もご家族も非常に喜ばれておりました」

— それは目覚ましい効果ですね。

「在宅で療養されている方々は基礎疾患を抱えている場合が多いので、どうしてもそちらに意識が行ってしまうケースが多いですね。そうすると爪が伸びていようが、多少巻き爪で痛かろうが、二の次になってしまいます。実はその方も歩けない原因について色々なところへ相談されていて、認知症や内科的な病気、体格の問題など、様々な診断を受けたそうです。そしてお薬や療法を試しても治らなかった中で、私への相談がありました。ご家族の方も、フットケアの大切さを実感したとおっしゃっていました」

メディカルフットケアの課題

— メディカルフットケアを取り巻く課題を教えてください。

「足部の問題を誰に相談すればいいのか、どこでケアをすればいいかわからないという方々が非常に多く、また適切なケアを提供できる場所も、現時点ではおそらく非常に少ないのではないかと思っています。いかに埋もれている方を掘り起こせるかという啓蒙活動が非常に重要な課題かと思います。
 ケアを実施する側の課題としても、単純に爪を切る、胼胝や鶏眼を削るという施術のスキルだけではなく、内科的な隠れた疾患を考えたり、靴の選定やインソールのカスタマイズについてのアドバイスをしたりといったサービスを、運動学や解剖学といった知識に基づいて提供できるコメディカルスタッフをどうやって増やすかということがあります。医師を中心としたフットケアを行う多職種が連携できる構造体を構築することが必要だと考えています」

メディカルフットケアの普及には、まだたくさん課題が残されている

メディカルフットケアの普及には、まだたくさん課題が残されている

FUSSMEDIについて

FUSSMEDIの特色

— FUSSMEDIが考えるフットケアの定義を教えてください。

「『運動器・感覚器としての役割をもつ足部に対するメディカルなアプローチ』がFUSSMEDIのフットケアの定義だと考えています。単に爪を切る・胼胝や鶏眼を削るだけでなく、予防のための一歩先の提案をすることがFUSSMEDIのコンセプトです」

— FUSSMEDIの特色について教えてください。

「爪や足底に対するアプローチの知識と技術というメディカルフットケアとして非常に大切なスキルを学ぶことはもちろん、解剖学や運動学、靴の選定やインソールの知識、足部機能向上のための運動指導といった学習内容を織り込んでいます。また、内科的な疾患などの理由で下肢循環障害を起こしてしまう方たちに対するフットケアを非常に重要と考えてアプローチしていきます。
 フットケアを行う上で、切る・削るという施術のスキルだけでは、ほぼその時限りの対応になってしまいます。いかにして悪化の予防という意味合いにつなげていくかという、その一歩先の提案をするためには多くの知識・技術・経験が必要です。FUSSMEDIはそれらを学べる場所になっています」

— FUSSMEDIの受講者の声を教えてください。

「看護師の方からは、FUSSMEDIでスキルや予防の知識を学んだことでトラブルの再発が非常に起きにくくなったという声を多くいただきます。また柔道整復師や鍼灸師の方では、膝や腰が痛いという方たちに足部からのアプローチができて、根本に近い治療が提供できるようになったという話を聞いております」

FUSSMEDIの講師

— 河本さんご自身がメディカルフットケアに従事するようになった経緯を教えてください。

「私は薬学部へ進学し、薬剤師を取得した後に柔道整復師になりました。柔道整復師の仕事をしながら運動選手のトレーナーとしても活動させていただいたりする中で、小さいお子さまから運動選手、ご高齢の方まで、下肢や体幹に痛みを訴える患者さまのアセスメントをしていくと、最終的に足部のトラブルと関連性を強く感じるケースに多く出会いました。しかし当時はフットケアの必要性に対してアプローチの方法がまだわからなかったため、それを学ぼうと思ったことが大きなきっかけです」

— FUSSMEDIのその他講師陣のプロフィールを教えてください。

「スポーツ健康科学系の大学院で修士課程を卒業し、現在も研究室に所属している柔道整復師・鍼灸師資格を持つ講師がおり、そちらからは足部に関する研究の最新情報が入ってきます。
 また、ピラティスのインストラクター資格を持ちながら理学療法士として在宅でのリハビリテーションを行っている講師がおり、体幹に関するアプローチやピラティスの要素を備えた運動指導が特徴になっています。
 その他に、大学病院の循環器科で20年ほど勤めた後に弊社で訪問看護に10年ほど携わっている講師もおり、メディカルフットケアの中でも非常に重要な下肢循環障害の悪化を防止するためのアプローチを循環器科のベテラン看護師の下で学ぶことができます」

河本さん自身も、講師として指導にあたる

河本さん自身も、講師として指導にあたる

メディカルフットケアの展望

— メディカルフットケアの今後の展望について教えてください。

「現状ではフットケアが診療報酬に加算される条件は限られており、全ての人が保険医療を元に適切なフットケアサービスを受けることは難しいという状況下で、フットケアの必要性がある足部トラブルを抱えた方々を掘り起こしてサービスを提供できる社会的な構造体を作ることが非常に大きな課題ではないかと感じております。今、世の中ではそれを実現しようと進んでいますので、その動きに賛同してフットケアを学ぼうという人々が集まって情報交換しながらそれぞれ学んでいけば、その構造体もでき得ると思っています。
 その構造の中では、多職種の連携が非常に重要だと考えています。医師だけでフットケアを行うことは難しいです。潜在している患者を掘り起こすことができ、その方々に対してADLの維持・向上につながる適切なメディカルフットケアサービスを提供できることを、フットケアナースに期待したいですね」

河本さん

FUSSMEDIについてさらに詳しく

FUSSMEDIのメディカルフットケアナース養成コースでは全52カリキュラムを13日間かけて学びます。在宅現場で積み重ねられた豊富なスキルとデータを元にした実践的な理論を学ぶことで、初めてフットケアを学ぶ人も、今までのフットケアでは物足りない人も、卒業したその日から使える実践的な知識とスキルを身につけられます。

FUSSMEDIについてさらに詳しく知りたい方は、以下のリンク先をご覧ください。資料請求も受け付けています。

FUSSMEDI(フースメディ)フットケアアカデミー | 株式会社トータルライフケア

また、FUSSMEDIを運営する株式会社トータルライフケアではFUSSMEDIのカリキュラムを取り入れたフットケアセミナーを随時開催しています。LALANURSEの研修会情報でも随時新しく掲載されますので、チェックしてみてください。現在予定されているセミナーは、「メディカルフットケア・基礎編」(2018年3月11日開催予定)です。

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