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リハビリテーションを形にする会社。株式会社gene代表 張本浩平さんインタビュー

2017年10月18日

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『株式会社gene』は愛知県名古屋市を拠点として、コメディカルスタッフ対象のセミナー企画・運営や出版事業、訪問看護ステーション・デイサービス運営の介護保険事業など、多角的に事業を展開する企業です。看護師・PT・OT・ST向けのセミナーは年間通して全国各地で開催され、出版部門では雑誌『訪問リハビリテーション』や在宅領域に関する専門書を刊行しており、在宅医療・介護に従事する人々のスキルアップを啓発する事業に力を入れています。

LALANURSEでは、株式会社geneの関係者の方々へのインタビューを実施。全2回の特集記事として、2週に分けて公開します。

第1回となる今回は、株式会社geneの代表取締役であり理学療法士の張本浩平さんにお話を伺います。

(第1回/全2回) 第2回はこちら

目次

  • 臨床と研究、二足の草鞋
  • セミナーという手段に見出した意味
  • 株式会社geneという組織について
    • 人間として当たり前のことを実践する
    • 在宅における独自の考え方を突き詰める
  • geneでの働き方について
    • ルールを尊重する
    • 従業員をフォローアップする仕組み
  • 会社を成長させる意味

臨床と研究、二足の草鞋

張本さんは名古屋大学医療技術短期大学部(平成13年3月廃止)を卒業後、同大学の医学部保健学科へ編入。同時期に名古屋市を中心に在宅医療サービスを提供している株式会社ジェネラスへ理学療法士として入社し、学業と勤務を並行しながら訪問リハビリテーションの世界へ飛び込みました。

— 理学療法士として働き始めた当時のことを教えてください。

「僕が理学療法士になった頃は、日本全国で2万人ぐらいしかいなかった、ほとんど知名度もないときです。僕自身は、ナースだった姉から『こういう仕事がある』と理学療法士を勧められまして。
 僕はもともと研究者になりたかったので、CRPS type 1(※)のモデルラットの作成という研究を、ジェネラスで働きながらもずっとやっていました。2年ほど臨床と研究という二足の草鞋でやっていたんですが、そのうち自分は研究に向いていないということがよくわかりまして、それからは臨床一本でやっていますね」

※CRPS type 1:CRPSはComplex regional pain syndrome(複合性局所疼痛症候群)の略。type 1(Ⅰ型)は軽微な外傷などの後にそれとは不釣り合いな強い症状が顕れることを示す

入社から8年ほどジェネラスに勤務し、会社の事業規模も拡大していくタイミングで様々な案件を経験。ジェネラスで一生働くと思っていた張本さんでしたが、ある出来事が契機となり、独自の道を進むことになります。

セミナーという手段に見出した意味

— 独立・起業のきっかけを教えてください。

「担当している男の子が、他社のヘルパーさんの食事介助中に窒息で亡くなりました。それまで、高齢の方が亡くなることは自分の中である程度納得できていたんですが……自分より若い子が亡くなるって、初めての経験で。自分がもっとこういうことをやっていれば防げたんじゃないか、とか、ずっと心の重しに残ってるんですよね」

それ以来、どうすれば窒息を防ぐことができたのかということを考え続けていた張本さんでしたが、やがてこれからの自分にできることを考えるようになります。ジェネラスで携わっていた業務にもヒントがありました。

「僕はもともとジェネラスでセミナーの企画にも関わっていたんですが、ひょっとすると──このセミナーという手段を使っていろんな人を啓発することができたら、僕と彼が出会った意味もあったんじゃないのかと思い、起業を考えました」

そして平成19年、張本さんの手によってセミナー企画・運営事業を行う会社が立ち上がりました。その社名はジェネラス(generous)から4文字を引き継ぎ、geneと名付けられました。geneには遺伝子という意味があり、『ジェネラスからの遺伝子を引き継ぐ』という想いも込められています。

名古屋市東区のgene本社社屋に設けられているセミナールームの写真

名古屋市東区のgene本社社屋に設けられているセミナールーム

株式会社geneという組織について

人間として当たり前のことを実践する

— geneの経営理念を教えてください。

「『リハビリテーションを形にする会社』です。リハビリテーションとは、体の悪い人が運動をして健康になることとか、訓練をして元気になることではない。そういうふうに捉えられていることが多いんですけど、リハビリテーションという言葉の本来の意味は『全人間的復権』で、僕の定義では、人間として当たり前のことを実践する心構えなんですね」

脳卒中になったり、障害を持って生まれたりして身体が不自由になっても、それが不幸に直結するわけではありません。しかし『この手が動かないから自分は不幸なんだ』と思ってしまうと、もしある程度動けるように回復したとしても、結局幸福にはなれないと張本さんは言います。

「人間として当たり前のことを実践するのは、なかなか難しい。看護師・PT・OT・ST、いろんな職種のみんなで一緒にそれを実現したい――という想いがあります」

— ちなみに、張本さんが考える幸福とはどんなことでしょうか?

「僕は、美味しい朝ごはんを食べることです(笑)。でも僕が美味しい朝ごはんを食べるためには、会社が順調に経営されていないといけないし、周りにいる人間が笑っていないといけないから、それを実現するためにいろんなことをやるだけ。
 ただし、『僕は』の話です。自分にとって何が幸福で、そのために自分は何がしたいのか、何が大事なのか。それを決められた人は、おそらく幸せだろうなと思いますね」

美味しい朝ごはんを食べることが自分にとっての幸福と語る張本さんの写真

美味しい朝ごはんを食べることが自分にとっての幸福と語る張本さん

在宅における独自の考え方を突き詰める

— 創業時はセミナー企画・運営事業で始まったところから、出版・介護保険へと事業範囲を多角化させてきた理由を教えてください。

「出版をやっている理由は、僕が訪問リハの世界に入ったときに、在宅に関わる人のための専門書がなかったんですね。エビデンスのないことを現場でやる上で、考え方のヒントがないんです。それはおそらく今でも変わらない。
 いろんな出版社さんと話をしたけど、そんなニッチな分野には手が出せないとみんな言うので、当社で最初に『訪問リハビリテーション』という雑誌を出して、そこから出版事業を展開しています」

geneの出版部門から刊行されている雑誌・書籍の写真

geneの出版部門から刊行されている雑誌・書籍。エビデンスが存在しないなら自ら作っていく、研究者だった張本さんならではの姿勢

「訪問看護ステーションは、もともと起業した当初からやるつもりでした。介護保険制度が始まる以前から訪問リハの世界でずっとやってきて、自分なりの在宅臨床観があるので、それを実現したいという想いがあります。
 訪問看護も訪問リハも、病院の看護やリハの出張ではないんですよ。訪問看護・リハでは利用者の多くが、最終的には亡くなってしまう。ではその事実に対して、僕たちはどういったスタンスを取ればいいのか? 在宅における全く新たな独自の考え方が必要になってくるので、やっぱりそこを突き詰めていく必要があると思いますね」

geneでの働き方について

ルールを尊重する

— 人材採用にあたって、求める人間性やスキルといったものを教えてください。

「ルールを守れるかどうか、です。当社の社是に『規律を守る』ということが一番最初にあるんですが、会社独自にルールブックを作っています。これには就業規則や人員規定、年間行事なども全部載せていて、会社も従業員も、ルールブックに載っていることを必ず守ってもらいます」

geneの全従業員に配布されるルールブックの写真

geneの全従業員に配布されるルールブック

多くの社員が一緒に働く上では、何よりもルールが大事だと張本さんは考えます。

「誰一人どうでもいい社員はいなくて、一人ひとりがかけがえのない大事な存在。その大事な存在をどう扱うかといえば、ルールを尊重するしかないと僕は思っています。ルールを大事にすることは一人ひとりを大事にすることだと思っていますから、そのためにもルールを遵守してもらうことにはすごくうるさいです」

ではルールを守らなかった場合はどうなるか? というと、『ルールを破った場合のルール』もまたルールブックに記載されていて、人事考課などに反映されるそうです。

「ルールに対して会社がおかしいということがあったら、これは会社が悪いです。結局は人が作ったものなので不備が多いし、会社が大きくなると合わない部分もたくさんあるので、年に1回改定されます。本年のルールブックも、また来年の改定でいろいろ変わるんですけれど」

— 就業規則が明確になることで、従業員は行動の判断を迷わずに済みますね。

「現場が物事を決めるというのは、とにかく大きなストレスです。現場が決定すべきことは臨床に関わることぐらいにしておいて、働く上でのいろんな決まりごとは、予めどんどん決めていきたい。
 僕は、ルールなんてないほうがいいと思っていたんです。ただ、それを突き詰めていくとそこにあるのは自由じゃなくて無秩序なんですね。『ルールを守ること』はもちろん大事なんですけど、『ルールがあること』が何より大事。これはやっちゃいけないことなんだ、と理解できる人を採用しますね」

特に労働基準法の遵守は徹底していて、サービス残業は事前申請をしなければ懲罰対象に。仕事とそうでないことの区切りを徹底して、その代わりに8時間きちんと働くことがgeneのルールです。

張本さんが所持するルールブックの写真

張本さんが所持するルールブックには改定するべきことのメモが随時書き込まれる。年に1回の改定は、その3ヶ月前から準備が始まる

従業員をフォローアップする仕組み

— 従業員のキャリアアップを支援する制度があれば教えてください。

「geneでは年間300回のセミナーを日本全国で開催していますが、社員はすべて無料で参加できます。また、全従業員に対して年間5万円の研修費用を支給しています。本人のスキルアップに資するのであれば、書籍を買ってもいいし社外の研修に出てもいい。使い道に関しては問いません」

— 新たに入社した従業員にはどのようなフォローがあるでしょうか。

「研修体制に関しては、入社後1年間、訪問看護・訪問リハのキャリアアップ研修を必ず受けてもらいます。月に1回、土曜日に4時間、これを年間50時間。土曜日なので受けたときは代休を取ってもらうか、時間外手当を払う形にしています」

— 休暇の取得を支援する仕組みがあれば教えてください。

「訪問看護はとにかく休みを取りやすい体制にしています。当社は訪問数のノルマをチーム制で取っていて、そうすることで必ず一日一人は動ける人間をつくる。それによって誰かが急な子供の発熱などで休んだとしても、他でフォローができる。有給休暇にも対応でき、サービス担当者会議にも行けます。
 ノルマに関しては、110%以上の訪問はするなと管理職に厳命を下しています。110%を超えたら、断るしかない。それ以上は運営に支障が出るんですね。だからといって少なくても困るから、90%以下は論外。90%から110%の間に収まるように運営しなさいと言っています」

ノルマに対してチーム単位で取り組むようにすることで個人への負荷を分散させ、かつ業務のボリュームも適切なレベルを保つことで、ワークライフバランスの安定を図っています。子育て世代の従業員も多く、育休・産休も法律に則って運用しているとのことです。

会社を成長させる意味

さらなる成長に対応するため、今年5月に本社社屋を移転したgeneの写真

さらなる成長に対応するため、今年5月に本社社屋を移転したgene

— 事業の多角化について先程お伺いしましたが、なぜ事業規模を大きくしていくのでしょうか?

「最大の理由は、職員の生活安定のためですね。僕らの仕事は専門職の中でも感情労働というものに分類されて、自分の心の状態が仕事の効率に影響してしまう。そこで会社が従業員の心を安定させるために何ができるのかというと、まず一番は生活の安定を提供することです。
 当社は看護師・PT・OT・STすべての職種で、名古屋市内における同職種の平均給与水準をまず間違いなく超えています。そんなにたくさんあるわけじゃないですけど、きちんと高いお給料を支払って安定的な経営ができる会社。仕事のクオリティを上げるために必要なことですから。家に帰ってお金の不安があったら、まともに仕事なんかできるわけないんですよ」

張本さんは、今後の時代の流れで超高齢社会における在宅での看取りは非常に重要になってくると考え、2025年までに従業員数を現在の120人から300人規模まで増員、そして年商およそ30億円を目指してgeneの事業を成長させていく計画です。

「何のための成長かというと、それはすべて安定したサービスを供給できる収入を得るために必要なものであって。拡大はしたいけれど、膨張はしたくないと思っているんですね。
 介護予防やリハビリ特化型のデイサービスを作ろうっていう世の中の流れで、当社は一切手をつけてないんですよ。僕が興味あるのは、重症の人でも人間らしく最期を迎えるって、一体どういうことなのかということ」

人間は誰でも最期に必ず死が訪れるからこそ、豊かな最期の迎え方を考えたいという張本さん。

「人間が生きることの意味を次の世代に受け継ぐとか、みんなが最期に集まってお別れを言うとか。そういったことに僕は人生の価値を感じるので、それをしっかりと形にできる会社にしていきたいですね」

張本さんの写真
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