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エンゼルケアの考え方と 看護師の役割①

2018年10月3日

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長い闘病の末に亡くなった場合など、外見を少しでも生前の元気な頃の姿に戻して送ってあげたいと思う家族は多くいます。このように外見を整えるなど死後の処置を行うことを「エンゼルケア」と呼びます。病院で亡くなると、多くの場合看護師がこの役割を担います。
今回から二回にわたって、エンゼルケアの考え方と看護師に求められる役割を取り上げます。
エンゼルケアにはどのような意義があり、具体的には何をすべきなのか、第一段はエンゼルケアの考え方と、看護師が行う実際の流れを説明します。

目次

  • エンゼルケアの基本的な考え方
  • エンゼルケアの流れ
    • ①療養末期
    • ②臨終時
    • ③お過ごしの時間・お別れの時間
    • ④全身のエンゼルメイク
    • ⑤冷却
    • ⑥顔のエンゼルメイク
    • ⑦お見送り

エンゼルケアの基本的な考え方

エンゼルケアを実施するには、病院ごとに作成しているマニュアルを基本としながら、家族の意向や都合などによって柔軟な判断と対応が求められます。そのためエンゼルケアは、誰のために、どういった目的で行うものかを日頃から理解し、担当する看護師とスタッフの間で意識を共有しておきましょう。

セルフケア不足看護理論を確立したドロセア・オレムは、「人はセルフケアをする存在であり、病人は病気によって一部セルフケアができない存在となる。そのできない部分を補うことが看護である」と定義しています。その定義からすると、死亡した人は一切セルフケアができない存在となりますから、周りの人が本人に代わりケアを行うこととなります。それがエンゼルケアの基本的な考え方です。
ですから、亡くなった人のことを考え、本人が生きていたらどうセルフケアするのかということを第一に考えます。本人なら、尊厳を守るために少しでも身だしなみを整えたいと思うはずでしょう。さらに、たとえ臨終を迎えたその場に家族や縁者の方がいなくても、「その人を大切に思う人たち」の気持ちを想像しながら、本人に代わってケアを行います。

エンゼルケアを行う際は、看護師が抱くイメージを優先するのではなく、常に家族の意向や判断を最優先する意識を持ちましょう。
最優先は家族の意向であり、最終判断するのも家族です。
なぜなら看護師は、亡くなった方の闘病中のイメージは持っていても、元気だった頃の姿は知らない場合がほとんどであるためです。家族ならその方が元気だった頃のイメージがあるはずで、エンゼルケアにおける身だしなみも、そのイメージを基にしてあげたいという意向があるはずです。その人らしさは、家族の記憶の中にあるものと理解しましょう。
家族の意向を最優先にエンゼルケアを行うことは、家族とのコミュニケーションにも繋がり、信頼関係を構築することができます。どんな服を着せてあげるか、メイクはどの程度にしてあげたいか、ささいな意向も伺う必要があります。この考え方により、例えば家族が本人と十分に対面できるスペースを確保するなどの配慮ができるようになります。

エンゼルケアの流れ

死後に行うケア「エンゼルケア」には様々な処置があります。例えば闘病生活の中で人工呼吸のためのチューブをしていた方、胃管などを固定していた方などは顔や体に跡が残ってしまうことがあります。病気や副作用によって、顔の造形が崩れてしまうこともあります。それらを可能な範囲で取り戻す作業や保清など、医療施設で行われる基本的な流れを把握しましょう。

「その人を大切に思う人たち」の気持ちを想像しながら、本人に代わってケアを行います。

①療養末期

主治医が本人や家族に対し、死が遠くない状況であることを説明したとき、看護師もエンゼルケアの看護計画を作成するケースが多いです。臨終後の衣類を準備するよう家族に声かけも行います。

【療養末期の実施項目】
・臨終時と臨終後の看護計画作成
・家族への衣類準備の声かけ

ただし、生前に臨終時・臨終後の看護計画を作成する場合は、本人や家族に対する最大限の注意が必要です。本人や家族の目に触れる可能性も考え、「もしもの場合」、「万が一の事態に備えて」などの文言を明記し、当然のように死を想定している印象にならないように配慮します。
衣類準備の声かけに関しても、生前から死後のことを家族に伝えるのは、タイミングや言い方が難しいでしょう。しかし、臨終間際になってからでは準備する時間が足りず、間に合わない場合もありますので、家族としてもはっきり言ってもらいたいという声も出ています。そこで、声かけのタイミングとしては、主治医から臨終が迫っているという説明があった直後がスムーズです。声のかけ方は、「万が一の事態に備えて、お着替え用の衣類をご準備いただくといいかもしれません」といった内容で話しましょう。

②臨終時

本人が亡くなって主治医が死亡確認をするとき、および臨終の告知を行うときは、家族にとって感極まる瞬間となります。ですから、看護師の立ち居振る舞いにも配慮が必要です。

【臨終時の実施項目】
・死亡確認と臨終告知時は手を止めて姿勢を正す
・家族に一礼する

医師が死亡確認と臨終を告知するときには、看護師は動作を止め、医師の発言に注目します。死亡という事態を厳粛に受け止め、そのことを態度でも表すため、姿勢を正して真っ直ぐ立ちます。立ち位置は家族の横や背後など、体調を崩されてもすぐサポートできるようにします。
臨終の告知を終えると医師が一礼しますので、看護師もそれに合わせて一礼します。

③お過ごしの時間・お別れの時間

臨終告知が終わると、主治医や看護師は一旦退出して家族だけで過ごしてもらう時間を設けます。「お過ごしの時間」「お別れの時間」と呼ばれ、少なくとも5分~10分は確保されます。
その時間を作るために、チューブや酸素マスクなどの医療器材を外します。

【お過ごしの時間を作るための実施項目】
・挿管チューブや酸素マスクなどの医療機器を外す
・お顔近くで対面できるようスペースを確保する
・お過ごしの時間の説明をして退出する

人工呼吸器の挿管チューブ、酸素マスク、胃チューブなどの医療機器を外す際には、「お外しします」などの言葉をかけて、家族が否定しなければ速やかに外します。枕を外していた場合には枕を再度使います。その他掛け布団など身の回りのものを整え、亡くなった方の顔を見ながら家族がお過ごしできるようにします。
お過ごしの時間は、家族が本人の顔の近くに立つまたは座ることができるスペースを確保します。そのために、人工呼吸器や点滴台、モニター画面など大きな医療機器は部屋の隅や室外に移動します。できるだけ家族の人数分の椅子も用意します。

④全身のエンゼルメイク

「エンゼルメイク」とは、もともとは「死に化粧」の意味で使われていた言葉ですが、現在は亡くなった人の顔だけでなく全身の身だしなみを整えることの意味を持ちます。この行為はエンゼルケアの一部となります。
エンゼルメイクを始める際には、家族に配慮して声かけを行い、同席してもらいます。脱衣や着衣など、亡くなった人の体を起こしたりする際に一緒に行ってもらえるほか、その都度家族の意向を確認できること、家族が亡くなった方の身体や頭部を支えることで、看取りを実感してもらえることなど利点があるからです。
エンゼルメイクをするにあたっては、まず点滴など、臨終後すぐに外していない医療器材があれば取り外します。その後、口腔ケア、眼内ケア、脱衣、全身清拭、手浴・足浴・つめ切り、整髪を施した後、用意された衣服を着せます。

【全身のエンゼルメイクの実施項目】
・点滴など医療器材の取り外し
・排泄物の処理(便、尿)
・口腔ケア
・眼内ケア
・脱衣
・全身清拭
・手浴・足浴
・つめ切り
・簡易シャンプー・整髪
・着衣

家族は亡くなった人から出てくる臭いに心を痛めます。ですから、それを防ぐための口腔ケアや眼内ケアは、できるだけ早いタイミングで実施する必要があります。死後硬直は顎から始まるため、時間が経つと実施が困難になるという理由もあります。ですから、家族の到着まで時間がかかる見込みがある場合、まずは口腔ケアを先に実施するという判断もあるべきでしょう。
脱衣は家族と一緒に行います。基本は仰臥位のまま脱衣を行い、側臥位にする回数は最小限にとどめます。側臥位にすると体液もれや便もれなどにつながりやすいためです。
清拭についても、看取りの行為である旨を意識して家族に同席してもらうことが基本ですが、陰部や乳房などの清拭時には配偶者など親しい人のみにする、タオルケットなどの下で清拭するなどの配慮が必要です。
手浴、足浴は、お湯を貯めた洗面器に手足を入れて洗う、あるいはボトルでお湯を手足にかける方法です。これも「良かったら洗って差し上げませんか」など家族に声かけし、看取りの行為として協力してもらうことも有効です。つめ切り、簡易シャンプーも同様に、家族が行うことで、本人に触れる機会となります。
髪を整える際には特に、家族に生前の姿を確認しながら行います。髪の分け目、前髪の処理などです。整髪剤を使っていた方なら、その使用も家族と相談しながら行います。白髪をヘアマスカラなどで染めるかどうかを相談するのもいいでしょう。
着衣の際にも、脱衣と同様に仰臥位での作業を基本とします。腹部を締めると、腐敗による液漏れのリスクが高まりますので、ゆったりと着せることがポイントです。靴下を履かせたりボタンをかけたりといった作業を、家族に参加してもらいます。

ここまで、できるだけ死後硬直が始まる前に実施しましょう。全身硬直は死後3~6時間ぐらいで始まります。

⑤冷却

冷却は体の腐敗の進行を遅くするために必要な行為です。腐敗は体の中のタンパク質が大腸菌や腸球菌などに分解され、臭気が発生する状態です。腐敗をもたらす細菌類は30℃~40℃で活発に活動して増殖します。それを防ぐための冷却は必須といっていいでしょう。
実際には葬儀社も冷却を行いますので、そのつなぎとしての冷却となります。

【冷却の実施項目】
・胃、腸、肺の部分を中心に保冷剤や氷を当てる

冷却のタイミングとしては、着衣と同時に行うことが多いです。皮膚に直接当てる場合は着衣しながら、衣類の上から当てるなら着衣が終わったタイミングで行います。
衣類の上からよりも、皮膚に直接当てる場合のほうが保冷効果が高いですが、和服など皮膚に直接当てることが困難な場合は衣服の上から乗せるようにします。

⑥顔のエンゼルメイク

看取りの際に、特に顔の状態がどうなっているかは、家族の心理にもたらす影響が大きいとされています。だからこそ、顔のエンゼルメイクは、エンゼルケアの中でも重要な役割を占めています。あらかじめ必要な器具をまとめておき、いつでも実施できる体制づくりが必要です。

【顔のエンゼルメイクの実施項目】
・表情を柔らかくするクレンジングマッサージ
・脂分と汚れを除去するティッシュオフ
・(必要なら)顔そり・髭そり
・熱で毛穴を開かせるための蒸しタオル
・保湿のための乳液
・変色をカバーするクリームファンデーション
・メイク崩れを防止するフェイスパウダー
・血色用化粧品で血色を入れる
・アイブロー(眉を整える)
・アイラインを引く
・薄くマスカラをつける
・リップを塗る

まずは胸元にタオルを当て、髪は固定します。その後は生きている人に施すメイクと大きな違いはありませんが、エンゼルメイクの場合、次の4つのポイントを心がける必要があります。
・乾燥を抑える
・顔色の変化をカバーする
・血色を補う
・その人らしさを大切にする

ですから、このエンゼルメイクの際にも、家族への声かけが重要となります。その人の生前、特に看護師が知らない元気な頃の面影を戻すにはどうすればいいか、家族の意見を参考にしながら実施していくべきです。

顔のエンゼルメイクは、実施にあたってスタッフ同士で事前に練習を行うことができますので、いざ本番の前に日頃から練習しておきましょう。使用する化粧品の使い勝手なども日頃から把握しておくこともできます。練習する際は、本番と同じく家族への声かけも含めて実施すると良いでしょう。

⑦お見送り

エンゼルメイクが一通り終わると、ひとまず退院の準備が整ったことになります。ここでも、エンゼルケアの考え方に基づいて実施する配慮が必要です。

【お見送りの実施項目】
・抱きうつし
・霊安室などでの待機
・退院お見送り

「抱きうつし」とは、従来は行われていなかった行為ですが、近年行われるようになりました。ベッドからお帰りのためのストレッチャーに遺体を移す際に、家族に抱きかかえて移してもらうことです。家族が本人を抱いてあげる機会はこれが最後になるでしょうから、その機会を設けるという意義を持ちます。
その後、霊安室に遺体を移し、家族には葬儀社の迎えを待ってもらいます。近年は保冷のための冷蔵庫を備える病院も増えています。
お見送りの際は主治医と担当看護師で見送ります。このシーンは家族にとっても印象に残りやすい場面ですから、姿勢をただし、厳粛な態度で見送りましょう。きちんと一礼し、出ていく車を最後まで見届けます。

参考:「ナースのための決定版エンゼルケア」(学研)

エンゼルケアの考え方と看護師の役割②はこちら
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