2017年の看護師のニュースを振り返る。
専門性が求められる時代に 2017.12.13

いよいよ2017年も終わりが近づいてきました。年の瀬は、この一年を省みて次の一年につなげるための整理をするにはちょうどいい機会です。2017年にあった看護師の働く環境を取り巻くニュースを振り返ることで、これからのキャリア計画を考えてみましょう。

話題に関連するLALANURSEのキャリアコラムもご紹介します。合わせてそちらもぜひご参照ください。

災害や感染症の多発

2017年は豪雨・台風といった気象災害による被害が各地で相次いだ一年でした。7月に発生した九州北部豪雨(死者37名・行方不明者4名)では、被災した地域の中で最大の死者数となり、床上浸水により医療機関の診療機能が停止するなど甚大な被害を受けた福岡県朝倉市へDMAT(災害派遣医療チーム)が派遣されました。また、災害支援ナースも大分県看護協会・福岡県看護協会からそれぞれの県内に派遣されています。

2017年は各地で甚大な水害に見舞われた写真

2017年は各地で甚大な水害に見舞われた

同災害では感染症が被災地で拡大することも懸念され、国立感染症研究所から感染症の専門家が避難所へ派遣されています。災害が発生した7月前後には全国で手足口病など感染症の流行が本格化しており、それを踏まえた対策です。2017年の手足口病の罹患者数は全国で12万人超に達し、多くの自治体で警報が出されるなど大流行となりました。

いずれのケースでも事態の収束に向けてその分野に特化した専門家が動員されており、その知見が活かされています。看護師のエキスパートである専門看護師には災害看護や感染症看護といった分野があり、こういった事例からも今後ますますその専門性が必要とされる機会が増えていくと予想されます。

災害や感染症の多発:LALANURSEの関連キャリアコラム

認定看護師・専門看護師の増加

日本看護協会の8月7日のリリースによると、第25回認定看護師認定審査の結果、認定看護師の数が全21分野で合計18,728人になりました。そのうち今回の審査で初めて1,000人を突破した『認知症看護』分野を含め、現在『皮膚・排泄ケア』や『緩和ケア』など7つの分野で1,000人以上が認定看護師として認定されています。

認定看護師が所属する病院の数は5年間で600箇所以上増加し、全国の病院の3割で認定看護師が所属するようになりました。さらに、訪問看護ステーション、クリニック・診療所、介護保険施設など病院以外に所属する認定看護師の数も、5年間でそれぞれ2倍以上に増加しています。

認定看護師の認定者数の推移グラフ

認定看護師の認定者数の推移(出典:認定看護師 21分野1万8,728人に 認知症看護分野1,000人突破 広がる活躍の場(日本看護協会)(http://www.nurse.or.jp/up_pdf/20170807170040_f.pdf))

認定看護師・専門看護師の増加:LALANURSEの関連キャリアコラム

社会保障制度の変化

8月1日からは一定の所得がある高齢者を対象に、医療・介護サービスの自己負担額が引き上げられました。介護保険料を納める現役世代も、収入に応じて納付金額が増減するようになりました。超高齢社会における社会保障費の増加を背景に、社会保障制度を維持していくための措置です。

また、厚生労働省は9月13日、2015年度の国民医療費の総額が42兆3644億円だったことを発表しました。これは2014年度を1.5兆円大きく上回る金額で、9年連続で過去最高記録を更新しています。これらからわかるように、医療・介護の財源問題は年々深刻さを増しています。

国民医療費・対国内総生産・対国民所得比率の年次推移グラフ

国民医療費・対国内総生産・対国民所得比率の年次推移(出典:平成27年度 国民医療費の概況(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/15/))

社会保障制度の変化:LALANURSEの関連キャリアコラム

病院が減っていく時代

経営再建中の東芝が10月、自社グループ社員の福利厚生施設である東芝病院を医療法人社団緑野会へ譲渡することを発表しました。診療体制を維持したまま事業母体を移譲するということですが、譲渡ではなく閉業という可能性もなかったとは言い切れません。

10月の時点で、2017年の『医療、福祉事業』倒産件数が2000年以降で最多になる可能性が高いという予想も出ています。先述の通り、病床数削減・医療費抑制は国の方針であり、今後も病院の統廃合は免れないと予想されます。

また、介護療養型医療施設(療養病床)も2018年3月に廃止が予定されています。長期間の医療・リハビリ・介護が必要な患者を対象とする施設ですが、医療的ケアの必要性が低い高齢者が利用しているという問題があり、再編成の検討が重ねられていました。廃止後の機能移行は、介護老人保健施設や新設される介護医療院などがその受け皿になります。

病院そのものの数が減ると、そこに勤められる人の数も限られていきます。今後は看護師として働き続ける上で、病院以外の施設にも視野を広げていく必要性が高まってくるでしょう。

病院が減っていく時代:LALANURSEの関連キャリアコラム

まとめ:スキルに基づいたキャリア計画

病院の患者が在宅医療へ移行することと並行して、看護師も在宅の現場での活躍がより求められるようになってくるでしょう。一方で病院には、高度医療を必要とする急性期患者や、これから医療を必要とする新規患者の窓口機能が集中します。いずれの現場で働くにしても、専門性に特化した知識・能力は看護師にとって大きな付加価値となりますので、計画的にスキルを身に着けていきたいものです。

病棟看護師としての働き方:LALANURSEの関連キャリアコラム

訪問看護師としての働き方:LALANURSEの関連キャリアコラム

また、LALANURSEではキャリア形成を支援する求人情報も多数掲載しています。ぜひご覧ください。

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